←前のページへ次のページへ→
小田急小田原線について

電気工学科1年  勝亦 良介

1.はじめに

 小田急小田原線は、新宿から神奈川県の小田原までを結ぶ小田急電鉄のメイン路線である。都心への通勤輸送と特急「ロマンスカー」に代表される箱根方面への観光輸送がある。代々木上原からは地下鉄千代田線、常磐緩行線と直通運転、小田原からは箱根登山線に直通し、さらに特急「あさぎり」により御殿場線まで直通しているなど見どころの多い路線である。



2.小田急の車両

5000形(5200形)




写真1 5200形(車内から)


 1969年に製造された車両。主に快速急行、急行の運用を担当している。箱根登山線にも乗り入れるが地下鉄には直通しない。5200形は5000形のマイナーチェンジ車で、側面の窓構造などが変更されたタイプ。


8000形




写真2 8000形(小田原にて)


 1987年から製造された4両編成と6両編成の車両。こちらは快速急行から各停まで幅広く担当している。箱根登山線にも乗り入れるが地下鉄には直通しない。


1000形




写真3 1000形(新宿にて)


 小田急初のステンレス車体で1988年から運転されている。編成は4両、6両、8両、10両となっており、10両編成は地下鉄千代田線の直通に対応している。地下鉄直通に対応しているもののストレート車体でなく拡幅車体である。


2000形




写真4 2000形(車内から)


 1000形の設計を基本に改良を加え1995年に営業運転を開始した。行先表示機はLED式となり、車内の案内表示機もLEDである。一部の編成では行先表示機がフルカラーLED化された。各停、区間準急のみを担当する。


3000形




写真5 3000形(車内から)


2002年から運転されている、これまでの拡幅車体からストレート車体となった。6両編成と8両編成がある。小田急で最も車両数が多い形式である。


4000形




写真6 4000形(新宿にて)


 2007年から運転されている、E233系をベースにした10両編成の通勤型電車である。地下鉄直通に対応し3000形と同様にストレート車体となっている。車内では液晶ディスプレイによる案内が行われている。


7000形 LSE




写真7 7000形(新宿にて)


 LSEの愛称をもつ特急形車両で1980年から運転を開始した。連接式の11両編成で先頭車両には展望席が設けられている。11両編成であるが1両が短いため通常の20m車の約7両分である。


10000形 HiSE




写真8 10000形 (新宿にて)


 7000形を基本としながら床を高くするハイデッカー構造としより展望をよくした。


20000形 RSE




写真9 20000形(新宿にて)


 御殿場線経由で新宿と沼津を結ぶ特急「あさぎり」用の車両として1991年に登場した。乗り入れ先のJR東海の371系と仕様をそろえるため連接構造や展望席でないが中間2両はダブルデッカー(2階建て)となっている。「あさぎり」のほか、間合い運用で「はこね」にも使用される。


30000形 EXE




写真10 30000形(新宿にて)


1996年に登場したロマンスカー形車両だが通勤輸送や分割に対応するため連接構造、展望席をやめ20m車の6両編成+4両編成となった。


50000形 VSE




写真11 50000形(新宿にて)


2005年に営業運転を開始した。30000形とは異なり10000形以来の観光輸送を主目的とし展望席や連接構造を復活させた。編成は、10000形より1両あたりの車体長を長くしたため11両から10両編成となった。


60000形 MSE




写真12 60000形(大手町にて)


ロマンスカーの千代田線直通用として2008年から営業運転を開始した。臨時で有楽町線の新木場まで乗り入れすることもある。



3.複々線化事業

小田原線は、東京都区内を中心に、慢性的な混雑が続いている。この抜本的な解決策として代々木上原 −向ヶ丘遊園間の複々線化がある。
 現在、代々木上原−梅ヶ丘間が工事中、梅ヶ丘−和泉多摩川間が完成。和泉多摩川−向ヶ丘遊園間は暫定3線である。




写真13 工事中の代々木上原−梅が丘間




写真14 和泉多摩川−向ヶ丘遊園間は3線


この複々線化事業は2013年完成予定で、完成すれば輸送力増強とスピードアップを行なう事ができる。これにより、ラッシュピーク時の混雑率が現在の188%から160%程度に改善され、向ヶ丘遊園−新宿の所要時間も急行で33分から21分、各駅停車で40分から34分と短縮される見込みである。






 
- 12 -
次のページへ→